【バッティング】体重移動はしてはいけない?軸足の使い方とスイングについて

ここでは、バッティングにおける体重移動について解説していきます。

しっかりとした体重移動するには、どういった考え方や練習方法があるのか?

そのような悩みや疑問にプロ野球経験者の筆者が独自の視点でわかりやすく解説していきます。

体重移動の基本的概念

まずはじめに、体重移動で気をつけたいことは、突っ込まないことと、後ろに体重を残しすぎないことが基本になってきます。

体重移動の一番難しいと言われているのが、軸がずれてしまうことです。

ここを気をつけておけばスムーズなスイングができると考えます。

この章では体重移動のメカニズムと打球をしっかり捉え、鋭いスイングができるように解説していきます。

体重移動はなぜ必要なのか?

体重移動するとなぜ、飛距離が伸びたり遠くにボールを投げられるのかを理解しておけば、基本となる体のメカニズムがわかるのでしっかり覚えておきましょう。

まず、体重移動の原点は、軸足(キャッチャーよりの足)になります。

重力を使って地面を斜め下にけるように力を加えると、ピッチャーよりに体重が前へ移動するのがわかると思います。

この軸足を斜め下に地面に押すことが体重移動の原点、パワーの源になります。

よく野球は下半身が重要と呼ばれるのは、こういったパワーをどこで貯めて爆発させるのかを理解しておくと、わかりやすいと思います。

人間は、重力の力によって歩行、ランニングなどができるようになっています。

野球も同じで、地面の力を借りて下半身に溜まったエネルギーを上半身に移し回転運動をするのです。

ここで勘違いしがちなのが、体重移動と回転運動を同じに捉えないことです。

回転運動は、体の中心で回転することでスピードが増します。

なので、体重移動と回転運動は別々にわけて考えないといけません。

他の指導者の意見や、野球サイトのバッティング動作の解説を観てみると、どうもごっちゃにしている指導が多いように思います。

体重移動と回転は、別として考えるようにしましょう。

体重移動の重要性

よくピッチャー寄りの足を上げて打ちに行くと思いますが、これは体重移動の準備期間です。

いったん軸足に体重を乗せないといけませんので、自然と片足に体重が乗るようにピッチャー寄りの足は、上がることになります。

足を大きく上げたり独特な方法で足を上げる選手がいますが、これは全てタイミングを図るためです。

それよりも重要なことは、しっかり軸足に体重が乗っていることのほうが遥かに大切なのです。

もちろん地面の力を最大限に借りたいので、一番力の入る場所を探さなければいけません。

バッティングは、正面からボールが来ますのでパワーを出す方向は、ピッチャー方向となります。

ということは、軸足はピッチャーの方へ蹴るように移動しなければいけません。

ここで注意したいのが、軸足がキャッチャー方向へ逃げないことです。

よく大きく足を上げたときに軸足が外に逃げてしまう選手がいますが、それではパワーをロスしてしまっています。

しっかり、親指の付け根を意識して膝が割れないように内側に体重移動しなければいけません。

ポイントとして、覚えておきたいところは、内側に絞ってもいざ回転運動する場合、膝が若干戻される選手がほとんどですが、これは逆に力強いスイングをする大事な部分でもありますので、正面に戻されるのは間違いではありません。

さらにキャッチャーよりの腕の抜きが素晴らしい選手の場合、膝も同様で膝の抜きもとてもスムーズです。

体重移動時は膝が内側に絞れています。(ソフトバンクホークス柳田選手)

この画像は、ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手のスイングですが、足を上げたときに、体重は一旦キャッチャーよりに重心が移動しているのがわかると思います。

そのときに、膝は割れずにいい塩梅で絞れています。

このとき、気をつけたいのがキャッチャーよりの足に体重を乗せたとき軸足側の腰が下がってしまう選手がとても多いです。

腰が下がるとバットが下から出てしまい、体が早く開きやすくなります。

そうなると、バットの軌道も遠回りになるのでコンパクトで鋭いスイングができなくなります。

基本的にバットの軌道は小さくコンパクトに振り抜きフォロースルーを大きく取ることです。

バットの軌道が遠回りするということは、回転軸がキャッチャーよりの腰が軸となり遠回りに回転していることになります。

回転運動の軸は、体の中心で回さないと鋭いスイングができませんので注意しましょう。

打ちに行く瞬間、膝が正面に若干戻されています。

軸足にタメを作った後、打ちにいく画像ですが、若干キャッチャー寄りに膝も度されます。

この動作は、より遠くへ飛ばそうとするときの準備期間といえるでしょう。

体重移動時に腕と膝に注目

①と②が連動している部分が注目ポイントです。

素晴らしい打者は、この肘と膝の動きが絶妙です。

一旦、パワーを溜めそこから一気にコンパクトに絞ってきます。

ここからいかにコンパクトに振り抜くかが重要

③のキャッチャーよりの肘の畳み方に注目です。

素晴らしいですね、体重移動をしながらキャッチャーよりの肘をコンパクトにうまく畳めています。

その時、④の膝もうまくコンパクトに畳むことができれば、スムーズな体重移動ができるのです。

このバッティング画像は、インコース低めの落ちる系のボールです。

このコースは、左打者の泣き所でもあるので、相手ピッチャーは必ずここを攻めてきます。

それをものの見事に、柳田選手はうまくアジャストしてホームランにしています。

そこで注目したいのが、やはりキャッチャーよりの膝の形です。

体重移動時に、溜め込んだパワーを最短距離でコンパクトに絞りながら回転しています。

これは、スムーズな体重移動をする大事なポイントですので、ぜひ覚えておきましょう。

体重移動の弊害

さて、他にも体重移動時に気をつけたいポイントをいくつか解説しておきたいと思います。

軸足でしっかり踏み込んだ時、自然に体重移動が始まりますが、ピッチャーよりのステップした足が地面に着地したとき、それと同時ぐらいに回転運動も行います。

このときに、よく「体がスウェーしている(前に突っ込んでいいる)」や「重心が後ろに残りすぎている」などといった注意を聞いたことはないでしょうか?

これは、体重移動時に上記で説明したように体の中心軸がずれてしまっているためにおこる現象です。

ではなぜ、体が突っ込んだり後ろに反ってはいけないのでしょうか?

状態が突っ込む

まず体が突っ込んでしまうと、顔や体全体がピッチャー方向に移動するのでボールとの距離がつかみにくくなります。

基本的に構えからスイングをするまで、顔を動かしてはいけません。

何故かと言うと顔が移動してしまうと観ている景色が変わり、うまくボールの起動を読むことができなくなるからです。

バッティングは、目が全てと言ってもおかしくなぐらい重要なポイントです。

確かに、動体視力が優れている選手はボールを捉えるのが上手です。

しかし、動いてくるボールに対して目でボールを追いかけては、ボールに対してアジャストできなくなります。

顔を動かさなければ、ボールを迎え撃つことができますので、どっしり構え打ち急がず、自分のポイントまでしっかり引き寄せて打つのが鉄則です。

軸足に体重が残ってしまう

逆に体重が軸足に残ったままですと、バットの軌道が遠回りになり下からバットが出やすくなるデメリットがあります。

さらにピッチャーの方に早く体が正対してしまうので、タイミングが合わせづらくミート率が下がってしまいます。

スイングスピートが遅い選手の特徴に、体重移動から回転運動までの動作が上手くいかないパータンが多いです。

体の中心軸がしっかりしていて尚且、体重移動時に軸がブレずスムーズな動きができれば、自ずとスイングスピードは上がっていきます。

スイングスピードが上がるということは、強い打球が打てるようになり、上手くボールの角度がつけば、今まで打てなかったホームランも必ず打てるようになります。

ですので、しっかり前に体重移動を行い腰の回転は、体の中心で回転するようにしましょう。

実は体の中心は体重移動していません

高校、大学とホームランを量産してきた筆者のスイング

高校、大学とホームランを量産してきた筆者のスイング

この画像は、筆者のスイングですが、体重移動はしていますが、体の中心はあまり動いていません。

1で軸足を蹴るように体重移動していますが、2.3.4と体の中心は動いていないのがわかると思います。

体重移動しながら軸を動かさないのは、テクニックが必要です。

体重移動は、あくまで強くスイングするための準備期間でもあります。

体の中心をぶらさずに回転させると体の中心を軸に回せやすくなるので鋭く回転することがとても重要です。

回転運動は、体重移動で得られたパワーを腰の回転によって爆発させますので、先程も説明した通り別々に捉えることがポイントです。

詳しくは、バッティングにおける「割れ」「タメ」「トップ」の位置について画像つきで詳しく解説で詳しく解説しています。

スムーズな体重移動の練習方法

この動画は、投手向けのトレーニング方法ですが打者にも適応できます。

この動作は、野球全ての動作に必要な基本的なトレーニングですので、打つだけでなく、投げる、走るといった動作にも適したトレーニングになります。

地面をサイドに蹴りながらステップするといった観点から考えるととても有効なトレーニング方法だと思います。

しっかり軸足の親指の付け根に体重を乗せて、地面の力を借りてステップしましょう。

膝も内側に絞りながら割れないようにピッチャー方向に体重移動するよう意識するのがポイントです。

注意したいのは、このとき、体重を乗せた軸足の腰が下がらないことです。

腰が下がってしまうと肩まで下がってしまうので、上にジャンプする場合だと問題ないのですが、バッティングは横に体重移動しますので、親指の付け根を意識して横にステップする必要があります。

上半身だけで、スイングしてしまうくせのあるバッターは、下半身主体のバッティングを覚え込ませるためには、どうしたらよいのかを考えながらトレーニングするとよいでしょう。

まとめ

バッティングにける体重移動のポイントをおさらいすると、以下の2つ。

  • キャッチャーよりの軸足の親指付け根を意識して水平にピッチャー方向に体重移動を行い、このときに軸足側の腰が下に下がらないように注意しながらタメを作る。
  • タメができたらバットを振る際に体の中心を軸として回転するように意識しながらバットを振る。

大きく体重移動しているのがわかる

しっかりと体の中心で回転しているのがわかる

柳田選手のすごいところは、大きく体重移動をして溜めこんだパワーを一気に出し切るスイングです。

通常ですと、ここまで体重移動すると体の中心でスイングをするのが、とてもむずかしいです。

体が前に移動しすぎるとスウェーしてしまったり、逆に行き過ぎて軸足の腰から回転してバットが遠回りしてしまいます。

しかし、柳田選手はここからしっかりと体の中心でしっかり回転しています。

体重移動は、強くスイングするための初動の動作ですので強ければ強いほど鋭く振り込むことができます。

柳田悠岐選手のバッティング画像を参考にしたのは、体重移動をフルに使ったバッティングフォームですので、とても参考になるからです。

筆者の場合ですと、ここまで体重移動を大きくしてしまうと、やはりうまく体の中心で回転することが難しく、顔がブレやすくなるので、ボールに対してうまくアジャストできなくなる可能性があります。

ボールは、向かってくるのでそれを引きつけながら打つのが通常ですが、より鋭く遠くへ打球を飛ばすには、打つ側も向かっていくとかなりの力がボールに加わります。

柳田選手の飛距離をみるとおわかりになるかと思います。

例えば、クルマの衝突場面を考えるともっとわかりやすいと思います。

時速100kmの速度のクルマと静止しているクルマのぶつかる衝撃と、お互いのクルマ同士が100kmでぶつかる衝撃を考えるとそのクラッシュ力の違いを想像するとわかります。

この体重移動は、バッティングだけでなく、投げる、走るといった動作にも必ず必要になってきます。

ですので、サイドステップの動きの体のメカニズムをしっかり覚え、スムーズな体重移動の仕組みを是非、覚えておきましょう。

当然、普段の生活に横の動きをする運動がなく、殆どが正面に動く動作のみとなります。

野球のウォーミングアップ時に、よくサイドステップのような運動をしたりするのは、普段使わない筋肉を野球では使うことになるので、ならすためにおこないます。

そこでウォーミングアップだけでなく、体重移動を体に覚え込ませるためにしっかりとしたトレーニングも必要になってきます。

バッティング練習もトレーニングの一部と考え、しっかりと上記で説明してきた解説を参考に意識しながら練習してみましょう。

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